「君ソム」は観客に伊咲と丸太が寄り添うような優しい作品、原作ファン森七菜が語る

左から奥平大兼、森七菜、池田千尋監督。

オジロマコト原作による実写映画「君は放課後インソムニア」の完成報告イベントが、本日3月15日に東京・ポニーキャニオン本社で行われ、曲伊咲役の森七菜、中見丸太役の奥平大兼、監督の池田千尋が出席した。

6月23日に公開される「君は放課後インソムニア」は、石川県七尾市を舞台に、不眠に悩む男子高生・中見丸太と、同じ悩みを抱える女子高生・曲伊咲を描く青春ストーリー。原作マンガを発売当初から読んでいたという森は「夢が叶ったと思う瞬間ってあるんだなと思いました」と、伊咲役のオファーを受けた際を振り返る。また原作の魅力を「語りきれない」と言い、「どこかで本当にあった話を誰かが覗き見して描いているみたいな、飾らない2人と仲間たちが大好きで。私は高校生活を楽しめたほうじゃなかったので、代わりに2人が楽しんでくれているような感じで読んでいました」と語った。

一方の奥平は脚本のあとに原作を読んだと話す。「自分の経験上、原作のある作品に出させていただくことはあまりなかったので。丸太を僕が演じるというのをあまり実感が湧かないまま読んでいて。最初は丸太を中心に読んでいたんですけど、出てくるみんなの個性が豊かでだんだん惹かれていって。素直にこの作品を楽しめました」と夢中になった様子を思い返した。

池田監督は原作について「自分の高校時代を思い出しました。でもそれってキラキラしたものとかでは全然なくって。私も廃部になりそうな映像文化部というところで1人で映画を作り始めたんです。あのとき地味で、ただただがんばっていただけのことを、こんなふうにキラキラと描いてくれているんだっていう感覚でした」と述懐。「なので映画を撮るときも、原作の中にずっと居る“すぐそこに生きていそうな高校生”、この空気感をどう作品の中に作っていくかを意識していました」と明かした。

森は脚本について「10巻以上ある作品を2時間にぎゅっと収めていて、私も好きなエピソードがたくさんあるので『どこが入っているんだろう?』というのをわくわくしながら読んだんですけど、2人の魅力がきっと伝わるんじゃないかなと」と太鼓判。また作品の舞台について、奥平は「のどかで心がすごく癒やされる場所でした。(作品のメインの舞台である)七尾市以外にも石川県の各地に行かせていただいたんですけど、近くてもそれぞれ違ったよさがあるところだと思いました」と魅力を述べた。

最後に池田監督は「私なりに映画を作るうえでのテーマをずっと探していて。最終的に掴んだのは『生きることを全力で肯定するんだ』と。この映画でそれをしようと決めたんです」と強く言葉にする。奥平は「この作品に対する思いは、まだ自分の中でも言葉で表せられない何かがある」とコメント。「公開近くにアニメも放送されますが、アニメにはアニメの、映画には映画のよさがあると思うので、比べながら楽しんでいただけたら」と期待を寄せた。森は「監督が言ったように、生きることのすべてを肯定できる、悩んでいることもすべて自分なんだという、いろんな悩みを抱えている人に寄り添っていける映画になったら。観てくれたお客さんの両肩に伊咲と丸太が寄り添って寝てるような、優しい映画になっています」とアピールした。

実写映画「君は放課後インソムニア」

2023年6月23日(金)公開

原作:オジロマコト「君は放課後インソムニア」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
監督:池田千尋
脚本:高橋泉、池田千尋 
出演:森七菜、奥平大兼、桜井ユキ、萩原みのり、上村海成、安斉星来、永瀬莉子、川崎帆々花、工藤遥、斉藤陽一郎、田畑智子、でんでん、MEGUMI、萩原聖人
企画・制作プロダクション:UNITED PRODUCTIONS
製作:映画「君ソム」製作委員会
配給:ポニーキャニオン

※川崎の崎はたつさきが正式表記。

(c)オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会